バイオリンを習って4年の俺が、クラシックのお勧めを書いてみる

クラシックが話題なので、バイオリンを習い初めて4年ほどになる俺が好きな曲を適当に紹介してみるよ!

 

バイオリンを習い始めたのは、LUNA SEASUGIZOの影響もあるけど、単純にカッコよくてずっと憧れてたので。楽器の中でもバイオリンって、段違いでカッコよくない? とりあえず弾いてみたくなるじゃん?

なお、4年やってるけど、マジ難しいっす。ギターと違ってフレットがないので、音がとりづらい。大人になってから始めた人は「レイトスターター」とか言われる世界。あと弦が高い。安いのでも4本5000円とかしてつらい。半年に一回替えるくらいだけど。

俺が習ってる教室では年2回、発表会があるんだけど、実際にやった曲を中心に、バイオリンの名曲を紹介してみる。なお、YouTubeは公式もしくは本人がアップしてるものを選んでます。ので、多少上手い下手はあるかと思うけど、気にいったら、適当にググってください。「曲名 バイオリン」でググれば、わりと動画が出て来ます。

曲の解説は主にウィキペで調べてます。すんません。

G線上のアリア/バッハ

超絶有名曲。音楽はドイツ語読みなので、「ジー線」ではなく、「ゲー線」と読むようです。

バイオリニストのアウグスト・ウィルヘルミがピアノ伴奏付きのヴァイオリン独奏のために編曲したものの通称だそうで。

G線って何?というと、バイオリンは4本弦があって、一番低い音で太い弦である4番目のG線のみで演奏する。ため。例えば、「レ」の音は1ポジションの2弦で弾けるんだけど、「Sul G」という演奏方法で、太いG線のみで弾くことで、より深みのある音になるので、G線で弾く。ギターをやってる人はイメージしやすいと思うけど、ハイポジションになると音の間隔が狭くなるので、より音程を取るのがシビアになるため、それなりに難しい。

バッハ自体は、個人的には格調高過ぎて「ザ! 古典!!! ザ! クラシック!!」感があって苦手なんだけど、G線は有名曲で耳馴染みもあって、そこまで抵抗感もないし、レパートリーとして覚えておくといいかなと発表会でやる予定だった。が、コロナで発表会がすっとんだ。

 


Air On The G String, J. S. Bach - Anastasiya Petryshak

 

愛の挨拶/エルガー

エルガーといえば、まず「威風堂々」が出てくるだろうが、「愛の挨拶」も有名で、電話の保留音なんかでもよく使われている。

話は少々飛ぶが、高校の頃はブラスバンド部でトロンボーンをやってたので、ステージ経験はそれなりにあるんだけど、発表会では最後の方が飛んで、10秒くらい固まった。先生がピアノの伴奏をしたので、先生も困っただろう。ステージで頭が真っ白になるという経験を初めてした。二度としたくない。

バイオリンでは7ポジションとか高めのポジションが出てくるので、初心者がやる曲ではない。が、2年目くらいの時に、まだ1ポジションしか習ってないのに適当に楽譜見て「行けるんじゃね?」と思って(何故行けると思ったか今でも謎だし、先生もよく止めなかったなと不思議なくらいには、初心者には難しい)挑戦してしまった。おかげで、電話や街角で聴くとフラッシュバックを起こして身悶える。


宮本笑里 『愛のあいさつ』MV Full

なお「愛の喜び」「愛の悲しみ」とあるが、両方ともクライスラー作曲。どちらも有名なので、聴いたことあるかと。

 

「ポジション」っていうのは、弦を押さえる左手の位置。前述の通り、ギターだと縦のネックに対して横に銀色のフレットが埋めこんであって、フレットを押さえることで、任意の音を出している。けど、バイオリンはフレットがない=押さえる場所が正確にわからない。けど、「だいたいネックのこの辺押さえるとレ」って具合でやってく。
1ポジションは一番上。3、5、7と数字が増えると、より手前になり、音が高くなっていく。

 

亡き王女のためのパヴァーヌラヴェル

紛らわしいのだが、「亡くなった王女の葬送の哀歌」ではなく、「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」だそうだ。たしかに悲しみに暮れる、死者を悼む曲というよりは、母親が幼い少女を抱きしめるような、上品で繊細な優しさがある。寝る前にずっと聴いていたくなるような曲。ラヴェルは『ボレロ』の作曲、『展覧会の絵』のオーケストレーションで有名。


Pavane for Dead Princess - Maurice Ravel ( Violin )


タイスの瞑想曲/マスネ

後述するCDにも収録されてるし、有名曲だが、たしかフィギュアスケートを観てて、「この曲いいじゃん!」と気に入った曲。発表会でやった。改めて聴いても、ゆったりした曲なのでスピード感というと違和感があるかもしれないが、緩急ある旋律が、滑っては飛ぶフィギュアスケートには非常にマッチしていると思う。


Jules Massenet - Meditation from Thais for Violin and Piano

 

白鳥/サン・サーンス

『動物の謝肉祭』という組曲の一部で、第13曲目。バイオリンよりチェロ独奏曲として有名。「白鳥」の名にふさわしく優雅に舞うような心地よい曲。今年4月の発表会でやる予定。これは比較的簡単。だけど、ビブラートを上手く効かせないと棒読みになるので、やっぱそれなりに難しい。


The Swan - 白鳥 - Le cygne [Violin Cover]【J.C.Ando】


シシリエンヌ/フォーレ

モーリス・メーテルリンクの戯曲『ペレアスとメリザンド』のためにフォーレが書いた曲。中谷美紀のアルバム『私生活』に収録されてる「temptation」という曲が、これを原曲にしてる。

たしか昔CMか何かで使われていて、非常に印象に残っていた曲。絶妙な不安感と妖しさが好き。マザー・グースじゃないけど、子供に歌って聴かせるようでありつつ、どこか少し不穏で仄暗い哀愁が漂う。いつか発表会で演奏したい。


フォーレ「シシリエンヌ」/G.Faure:Sicilienne

 

以下はとてもじゃないけど弾けない曲の紹介。


24の奇想曲/パガニーニ

パガニーニの演奏技術は、悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」と言われた天才ヴァイオリニスト。「カンパネルラ」で知られるリストにも影響を与えた。

ピアノの話題になって余談だが、一世を風靡したフジ子・ヘミングの「奇跡のカンパネルラ」は名盤なので、是非聴いてほしい。マジで熱い。

さて、「24の奇想曲」、または「24のカプリース」は文字どおり24曲ある超絶技巧のヴァイオリン独奏曲集。第1番の時点で、「は‼?? バイオリンでこんな早弾きできるの!?」と思うこと請け合いの怒濤の早弾き。90秒程度の曲だが、圧倒されるなんてもんじゃない。


Paganini: 24 Caprices For Violin, Op.1 - No. 1 In E

 

オクターブ重音を使った第3番は「え、これ一人で弾いてるの? 嘘でしょ?」となる。第9番は「少女と老人とが掛け合いで歌うさまを模写した」そうだ。たしかに高音の可愛らしい旋律と、それに対応するような打って変わった低音の旋律が面白い。第10番も初っぱなからテンションマックスの早弾きで、息を呑む。全部聴き直すもの大変なのでw、有名どころにしてラストの24番に飛ぶが、これがまた導入部分からして狡猾な悪魔が誘惑するかのような、独特の妖しさを放つ。あ、当然ながら、僕にはまったく弾けません、はい。音大の試験とかでは出るそうです。
とりあえず1番と10番、24番を聴いて「お!?」と思ったら、他のも通して聴けばいいと思う。


パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」という映画もあるので、是非観て欲しい。バイオリニストでありモデルでもあるがデイヴィッド・ギャレットという主演、ストラディバリウスを使って演奏している。ストラディバリウスはいわずもがなのウン億するバイオリンの最高峰。ウィキペディアにも紹介されている数々のエピソードが作中で見られるのもあり、非常に面白い。


7/11(金)公開 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』予告篇

 

なお、上記にも上げたが、デイヴィッド・ギャレット自身は、メタリカとの共演もあったり、クラシックだけでなく、一般よりの仕事もしている。非常に色気のあるバイオリンを弾く。

 

無伴奏ヴァイオリンソナタ/イザイ

1番から6番まである。親交のある6人のバイオリニストに各曲が献呈された。何処か人を食ったような所のあるパガニーニカプリースと違って、不穏で難解。だけどクセになる。1番なんかは幽霊が出ると評判のヨーロッパの古城につれてこられたような気分になる。「一部の作品を除くと未だに演奏機会は少なく、作品の演奏がおしなべて困難であることもあって作曲活動の全貌は明らかになっておらず、いまだに全集の編纂すらない」とか、伝説の作曲家感があってよくない?w


Moné Hattori - Ysaÿe - Sonata for Solo Violin, Op.27 No.2 (IV- Les Furies – Allegro furioso)

 

どうやってバイオリンの名曲を見つけるの?

習い始めの頃は、何を基準に選べば良かったのかわからなかったので、Amazonで調べて曲がたくさん入っていて安い「ベスト・オブ・ベスト 珠玉のヴァイオリン名曲集」なるCDを買って勉強。たしかに聴いたことのある曲がわんさか!

 

 あとは、サブスクで宮本笑里千住真理子前橋汀子、鈴木舞、上里はな子とかのアルバムを聴いて、気に入った曲を見つけるとか。

主にバイオリンソナタ(バイオリンとピアノの二重奏)のあたりが構成もシンプルで短めなので、とっつきやすいです。まあ「オーケストラの方が迫力があっていい!」とか、「四重奏の方が構築性があっていい!」とか、この辺は好みだけど。

 

クラシックはどうしても「気取ってる」とか、敷居が高く感じられる(あ、敷居が高い警察の方はご遠慮ください)けど、そういうの無視して、とりあえず聴いてみると面白いっすよ。何より「浸透力」が凄くて、知らないはずの曲でも、馴染んでくると子供の頃から知ってたような「懐かしさ」が出てくる。圧倒的にキャッチー。100年とか聞き継がれてる曲って、やっぱそれだけ人の心に染み入るものがあるんだなぁと痛感します。