桜を見る会・前夜際に関する疑問メモ

どうも安倍内閣は「え、それホントに大丈夫なの?」と、小中学校の社会や公民の教科書を読み直したくなるような、初歩的かつ常識的な「違反」を毎年のように、何かしらしでかす。忘れてしまうので、今回の「桜を見る会」とその「前夜際」の疑問点を、箇条書きで書き残しておく。
疑問が解消されれば、追記していきたい。例のごとくうやむやになって、追記できなさそうだけど。

桜を見る会

・各界における「功績、功労」とは何なのか。その基準が不明。欠席者への配慮は感情的にはわかるが、出席者に関しては、少なくとも基準は明確にすべき。名誉なことなのに明確にしない意味がわからない。
・例年増えていく、また同じ人が呼ばれる理由が不明。増えていくのはまだ判らなくもないが(ただし尚更基準を公開すべき)、同じ人が呼ばれるのは、毎年同等の評価を得ているということなのか。これも結局、審査基準が不明確なので理解ができない。
・「名簿がない」というのが理解できない。セキュリティ的にも危ういし、実務的のも、どうやって出欠を取っているのか、また来年度の候補者選びにも影響があるのではないか。
・首相や各大臣の招待枠があるのは、理解できなくはないが、公職選挙法に違反しないよう、かぎりなく慎重になるべき所だったのではないか。後援会の人間を呼ぶというのは、ありえないのでは。
・第二次安倍内閣まで8000〜1万人程度だった参加者が例年増えていき、今年は安倍首相の後援会の人間だけでも850人も参加者がいるとのこと。今年は18,200人なので、4.6%。後援会の人間を850人も呼ぶこと自体、公職選挙法に違反しそうなものだが、呼ばれてる人らも裏方の官僚も、誰も何も思わなかったのか。公的行事なのに異常としか言いようがない。
・参加した政治家もブログやツイッターで書いていたが、公職選挙法に違反するリスクを感じなかったのか。感じていないのであれば、普段から同様の行為をしているのではないか。年賀状1枚出すのも
・近年、前年にブレイクした程度の芸能人を呼んでいたが、その意味はあるのか。マスコミに報じさせるのに絵面がよいように使っていただけではないか。
・マスコミも毎年写真付きで報じていたと思うが、マスコミは何も疑問に思わなかったのか。
・マスコミも毎年写真付きで報じていたと思うが、マスコミは何も疑問に思わなかったのか。
・当たり前だが、自民民主問わず、今までどういった形で運営されてきたのか、明確にした上で、処罰と再発防止策を徹底すべき
 

前夜祭

・公的な行事の前に、首相の事務所が「前夜祭」と称して、行事の参加者である後援会の一部を招いて、首相夫妻も呼ぶ=首相公認のイベントを行うのは適切なのか。
・前夜祭にはABCDとプランがあるのに、夕食だけ別払いの意味がわからない。A〜D×夕食会(前夜祭)参加の有無で8パターンだと煩雑になるため? しかし旅行代理店が入っているんだから、それくらい対応できるのでは。
・前夜祭の5000円は適切なのか。総理大臣クラスの顧客、また宿泊+前夜祭参加者が800人規模になれば、ホテルも(大幅な)割引を行うのか。政治家相手にそれは適切なのか。
・歌手が無料で歌っているようだが、歌手側の寄付行為に値しないのか。

www.asahi.com

https://kakaku.com/tv/channel=6/programID=12203/episodeID=1313632/
「著名な芸能人の無料公演等もこれにあたる」(「市会ジャーナル 特別編・法制レポート⑮ 公職の候補者等に関する寄附行為の制限について」横浜市会議会局 政策調査課:PDF
 
・領収書をホテル名義で出すのはありえるのか。事前に書いておくとしてもドタキャンに対応できず発生していない支払い記録が残ってしまう。未記入の領収書の束を渡すのはもっとありえないだろう。普通に考えれば、いったん事務所名義で領収書を切って、まとめた金額をホテルに払う。そうしなかった意味・理由は何か。収支として記録が、また領収書としてリストが残るのを嫌った? ホテル名義で領収書を知っているのであれば、実務的にどのようなフローでしたのか。
・安倍夫妻のホテル名義の領収書はないのか。ないのであれば、二人の夕食代はどこから出てるのか。少なくとも安倍夫妻個人もしくは後援会から出てるはずで、それは記録に残っているべきなのでは。安倍夫妻個人から出しているのなら、夫妻が領収書を持っているはずなのでは。

「反日」と言いたいだけの人たち

あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」はどうにも言及しづらい。いかんせん観てないからだ。基本的に、その作品を観ずに語るのはフェアではない。とはいえ、東京から愛知へさくっと行けるかと言われると、行けないことはないが、「そこまでして観たいものでもないし」と正直、腰が重くなる。ネットやテレビのニュースを通じて、その作品の「一部」を観ることしかできない。今回のChim↑Pomの「気合い100連発」も、10分30秒あるが、全部を観たわけではない。

 

痛いニュースの『【悲報】 表現の不自由展で新たな反日作品発覚 「被爆最高!放射能最高!」と叫ぶ映像作品』という記事がホットエントリに入ってきた。音声はいまいち聞き取りづらいが、たしかに「被爆最高」や「放射能が出てるよ」といった発言はある。
それと並べて、帽子を被った男性の「解説」があり、「おためごかしで東北の人たちをからかいに来た映像です」と断言している。続けて、「ところどころ、テロップに、あの、隠してあります。それは完全に隠語で何を言っているか想像がつく人は、朝鮮側からしたらおそらく想像ができるけれど、あれは在日たちを喜ばすための映像」と言い切っている。
が、どの言葉がその「隠語」で、どんな侮蔑をしているのかはまったくわからないし、なぜ朝鮮の人がこの映像でわざわざそんなことをしているのか、という根拠はまったく示されていない。
不勉強なものでわかりかねるので、具体的にどういった隠語がどういった意味なのか、ご存知の方がいらっしゃれば是非ご教示賜りたい。

また、残念ながら存じ上げないのだが、この男性は界隈では有名な方なのだろうか。
有名無名いずれにしても、明確な根拠もなしに「隠語で日本人を侮蔑している」というのはおだやかではない。かつ、「在日(おそらく在日韓国人)を喜ばす」というのも意味がわからない。


昭和天皇の写真を燃やしている「遠近を抱えて」や「平和の少女像」と同一の文脈で語られ、「表現の不自由展・その後」自体が「反日サヨクプロパガンダ」であり、「芸術の名を借りた日本人ヘイト」の作品群が展示されているという「文脈」で、この「気合い100連発」も観られてしまっているようだ。
余談だが、「平和の少女像」として出品されているのに、「慰安婦像」とニュースでも言われているのは、正確性に欠くと思う。何故、作品名を伝えないのだろう。


この流れ、どうも8.6秒バズーカーの騒動を思い出してしまう。
あれも結局一部の人らが妄想を繰り広げただけなのに「事実」とされ、あそこまで炎上した。

ブコメ増田で言及されているが、少なくとも、Chim↑Pomとしては2016年5月の時点で、

2011年の福島第一原発事故からすぐのときに、原発から50kmのところの相馬市で被災した男の子たち6人と映像を撮った。Chim↑Pomの4人を含めて10人で円陣組んで、アドリブでガンガン気合いを入れあっていく。スクリプトはなし。言うことはばらばらで、何を言ってもいい。地元の子たちも盛り上がって、徐々にポジティブになっていく。「車欲しい」とか「彼女欲しい」とかボケ始め、最後は「放射能最高!」と叫びだしたんです。僕らはその明るさに衝撃を受けました。

 http://realkyoto.jp/article/talk_takayama-ushiro/

 

と語っている。
そこに韓国やその他諸外国との関係性はない。

冒頭に書いたように、作品を観ていないのに、即断するのもフェアではないのだが。
おそらくTwitterを利用した痛いニュースによるデマだと言っていいだろう。
もちろん、本当に「隠語」で日本を侮蔑しているのであれば、撤回する。が、痛いニュース上でも隠語に関する話題はなく、おそらく二つ目の動画はろくに観られていない。観られているのであれば、「名推理」が出ているはずだ。

「遠近を抱えて」や「平和の少女像」が出品されている=反日サヨクの展示であり、在日の陰謀なので、そこで展示されている震災被災者への侮蔑=反日という思考だろう。
しかし仮に「気合い100連発」が本当に被災者への侮蔑だとしても、そこに国は関係ない。個人的には作家が言うように、一種の反骨心の表れで「放射能最高」と言う発言になったとは思うが、それもきちんと作品を最後まで観ないとわからない。ただ、まったく関係のない反日と結びつけて批判するのは、それこそが被災者への侮蔑だろう。

 

いずれにせよ、「表現の不自由展・その後」は様々な問題が表出したが、いよいよ底が抜けたように思え、あまりにもうんざりしたため、記録として所感を残しておく。

 

さよなら、はてなハイク。

フリーランスwebデザイナーとして独立した当初、僕はひたすら雑談に飢えていた。
ベッドの隣がパソコンデスクという、通勤時間、徒歩一歩の環境。
24時間、たった1人で仕事をしていた。
2ちゃん(当時)のweb制作板に入り浸っては、グチやらフリーランス論なんかをぶっていたが、当然ながら常にレスをもらえるとは限らない。レスがもらえた時の嬉しさは半端なかった。
まだ本格的に流行始める前のTwitterもやってみたが、壁にむかって呟いているような虚しさがあって、すぐに挫折した。

 そこでたどり着いたのがはてなハイクだった。Twitterと違って、「お題」があって、それに対しての投稿を行う。直接レスはなくても、はてなスターがもらえて、承認欲求が満たされた。何でも呟いていい=逆に言えば、何を言えばいいかわからないTwitterと違って、なんかしらお題が流れてるので、それに対して思いついたことを呟けばいいというスタンスも、とっつき安かった。

 徐々にスターやレスをしあう人たちが増えて、なんとなく仲良くなって、オフ会なんかも行くようになった。
調子にのってid:take-itだけど、Dr Pepperがちょおうめぇので100本飲んでみる。とかやってみたり、(いい意味での)個人いじりがあって、一部殺伐とする部分もあったけど、和気藹々とした雰囲気の方が強いコミュニティだったと思う。
カミナギハヅキというbotなんかもいて、なかでも天気予報のめりもなんかはアイコンもかわいいし、すげー好きだった。

 Twitterだと「ドロリッチ」なんかが流行ったけど、はてなハイクでも「ロールちゃん」という菓子パン(と思ったらサイト見たら「洋菓子」だそうだ)が定番のお菓子として流行ってたり、アイコンが左サイドバーに並ぶ仕様なので、Users欄のアイコンの並びから読み取るなんて遊びもできた。

Twitterと違ってホーム画面は全ユーザー同じなので、調子にのってpostしまくったりレスしまくったりしてると荒し状態になってしまい、2ちゃんのヲチスレで名指しでウザいとか言われたりしたのもいい思い出だ(正直すまんかった)。

迷惑をかけるようなこともあったが、好意的なレスなりスターなりのフィードバックもあるので、「これって『面白い』って思ってもらえるんだ!」とわかるようになったのも、はてなハイクのお陰だった。
あまりコミュニケーションに自信がなかった僕が、安心してバカができる場所だった。「嗤われる」じゃなくて、「笑ってもらえる」場所。単に話し相手がいるという以上に、安心して冗談を言って、笑ってもらえる場所があるというのは、本当に嬉しかった。

 

おばけアイコンができたのも、ハイクがきっかけだった。
当時、丑年で、

f:id:take-it:20181119231001j:plain

こんなアイコンを使っていたんだけど、たしかこの投稿「思ったよりも下部が卑猥 - 怒られそうなことを敢えて言う - ʕ •ᴥ•ʔ<だ」が元で、もう一人レスをつけたユーザーが「上の部分が顔に見える」というので、ちょちょっとFireworksでいじって、おばけにしたのだ。
おばけなのは、キャラクターにするのに、おばけが一番楽に描けたから、という安易な理由だ。

2009年にTwitterが流行りだしてから、ハイクにはあまり顔を出さなくなった。
ハイクで仲良くなった人たちもTwitterを始めだし、コミュニティがそのまま移ってきたのと、Twitterでのwebクラスタとのやりとりにハマったのもある。
当初は苦手だった「何でも呟いていい」というTwitterが、気楽になった。
自分でタイムラインを作れるTwitterと違って、嫌なユーザーやスパムも目の当たりにしなければならないハイクは、一年に一度、ふと思い出したようにポストする程度になった。

だから、もう、ハイクをやらなくなって8、9年以上経ってしまう。
それでもやはりはてなハイクがなくなってしまうと、さみしい。
たしかにもう行かないかもしれない、だけど、子供の頃、大好きな友人達とよく遊んだ公園が突然なくなってしまうような、どうしようもないやるせなさ。
たしかに今はTwitterFacebookで事足りている。
ビジネスとして考えても、収益化が難しいであろうはてなハイクが、生き残るすべはないのかもしれない。

ただ、僕のネット人生の中で、とてもとても大切な場所だったのは間違いない。
ありがとう、はてなハイク。そして、さよなら。

フリーランスはゴールではない。

katsuse.hatenablog.com

このエントリに対して、わりと感じの悪いブコメを書いたので、

会社員→転職→独立して気付いた「選択自体は重要ではない」という事実 - 人の職業を笑うな

フリーランス10年やってる独身の俺からしても、生存バイアスの勝ち組にしか見えない。だからどうということでもないんだけど。大手企業は入れたから、元から優秀な人なんだろう。

2017/07/13 21:41

b.hatena.ne.jp

言い訳めいた、しかしぼんやりとしたエントリを書いてみる。

続きを読む

漢文廃止論や「謙虚アピール」に200億が出る「現実」の前に、「表現」は無力なのではないか。

筒井御大が炎上している。
火浦功経由で中・高校の頃少し読んだので、作風について多少は知っているし、断筆宣言の時は『ゴーマニズム宣言』でも話題になっていたので、当時の空気感はうっすら覚えている。
筒井康隆をもってしても、2017年の日本では、「社会的なタブーをあえて破る表現」ってのは、相当難しくなってるじゃないだろうか。

続きを読む

あんまアニメ観ない僕でも『けものフレンズ』が面白いわけ

小・中学生の頃はまだゴールデンタイムにアニメがバンバンやってたので、毎日のようにアニメを観ていた世代なんだけど、ここ十五年くらいの深夜アニメはまったく観てない。ここ最近で全部観たのは、まどマギとあの花、シュタインズ・ゲートくらい。

そんな僕でも今流行の『けものフレンズ』を大変楽しく観てるので、その辺の理由を書いておこう。

続きを読む

いつのまにか失われていく風景たち

なんか下のブコメが思わぬ好評を博したので、時節的にも前から書きたかったことをさらっと書いてみる。

【シン・ゴジラ】川崎市長「川崎をめちゃくちゃにしてください」→実際に破壊され映画は大ヒット…フィクションの怪獣に破壊されるのは一種の祭りでもある - Togetterまとめ

ゴジラは毎年「今年は何処を壊すか」が話題の映画だった覚えが。/で、十年後二十年後に見たときにゴジラに「壊された」風景がもう無かったり(=人間が壊してる)するわけですよ。何気ない街並みこそ記録として大事

2017/02/18 01:10

b.hatena.ne.jp

 

この春、卒業や就職で地元から離れる人は、身近なところを写真に撮りまくっておくといいっすよ。自分自身から家族、実家のリビングや自室、玄関先、家の周り、駅のまわり、小中高大学問わず通った学校、通学路、よく行った店などなどなど。

続きを読む